インボイスの交付義務。どういう書類がインボイス?

インボイス制度

インボイスって、必ず交付すべきもの?
どういう書類がインボイス?何を記載したらいい?複数の書類でもいい?

こんにちは。税理士の城戸です。

今回は、そんな疑問を持たれている方(個人事業主&法人)向けの記事です。

ぜひ、参考にしていただけるとうれしいです。

インボイス発行事業者を前提としています。
立場としては、売り手側です。

売り手側としての義務

インボイス制度において、売り手側がすべきこと。

それは、次の4つです。

4つの義務
  • インボイスの交付
  • 返還インボイスの交付
  • 修正インボイスの交付
  • インボイスの写しの保存

今回は、1つ目の「インボイスの交付義務」について、解説します。

インボイスの交付義務

インボイスの交付

商品の販売やサービスの提供をした場合、売り手側は買い手側の求めに応じて、インボイスを交付しなければなりません。

インボイス発行事業者の義務ですね。

ただ、、、このインボイス。

何か、新しい書類である必要はありません。

必要な事項が記載された書類であれば、名称が何であれ、インボイスとなります。

請求書でも、納品書でも、領収書でも、レシートでも、、、です。

もちろん、手書きでも、、、。

インボイスに必要な記載事項は、次のとおり。

①インボイス発行事業者の氏名又は名称及び登録番号
②取引年月日
③取引内容(軽減税率の対象品目である旨)
④税率ごとに区分して合計した対価の額(税抜き又は税込み)及び適用税率
税率ごとに区分した消費税額等
⑥書類の交付を受ける事業者の氏名又は名称

これらの事項が記載されていれば、すべて「インボイス」となります。

ちなみに、、、下線部以外は、これまでの請求書等の記載事項と同じ。

なので、これまでの請求書等に下線部を追加して「インボイス」とすることも可能です。

このパターンが多いですね。

簡易インボイスの交付

スーパーやコンビニなどの小売業、飲食店、タクシー等(不特定多数の者に販売等を行うもの)については、簡易インボイスの交付でもOKです。

簡易インボイスに必要な記載事項は、次のとおり。

①インボイス発行事業者の氏名又は名称及び登録番号
②取引年月日
③取引内容(軽減税率の対象品目である旨)
④税率ごとに区分して合計した対価の額(税抜き又は税込み)
税率ごとに区分した消費税額等又は適用税率

下線部が、これまでの請求書等に追加で必要となる部分。

宛名の記載は、不要です。

もちろん、電子インボイスによる交付でもOKです。

ちなみに、軽減税率の適用対象となる商品がない場合であっても、インボイスの交付義務はあります。

その場合、「軽減税率の対象品目である旨」「8%対象 0円(消費税0円)」といった記載は不要ですので、ご安心ください。

複数の書類で、インボイスとすることもできる。

1つの書類ではなく、複数の書類で「インボイス」とできるって聞いたんだけど、、、?

そうですね。

複数の書類全体でインボイスとすることもできます。

ただし、その場合は、次の2つの要件を満たす必要があります。

要件
  • 相互の関連が明確であること。
  • 複数の書類全体で、インボイスの記載事項を満たしていること。

例えば、納品書と請求書の場合は、納品書番号などで、相互の関連を明確にできますね。

まとめ

今回は、『インボイスの交付義務。どういう書類がインボイス?』について解説しました。

ぜひ、参考にしていただけるとうれしいです。

売り手側・買い手側の立場ごとに整理して、インボイス制度に対応していきましょう。

  • インボイス発行事業者は、インボイスの交付義務あり。
  • 必要事項が記載されていれば、どういう書類でも「インボイス」となる。
  • 1つの書類ではなく、複数の書類で「インボイス」としてもOK。

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