こんにちは。税理士の城戸です。
今回は、鉄道料金等とインボイスについて。
鉄道料金等のインボイスの入手方法や、インボイスが不要となるケースについて、解説します。
ぜひ、参考にしていただけるとうれしいです。
前回のブログは、こちら。
鉄道料金等のインボイスの入手方法(乗車券・特急券・定期券)
・窓口で購入する場合
窓口で、簡易インボイス(領収書)を入手できます。
「領収書をください。」の一言も忘れずに。
もらい忘れた場合は、購入した乗車券等や定期券を持って購入した窓口に行けば、発行してもらえるようです。ただし、列車に乗ってしまった後などは、難しそうです、、、
・自動券売機・指定席券売機で購入する場合
自動券売機・指定席券売機で、簡易インボイス(領収書)を入手できます。
「領収書ボタン」を押せば、発行されます。
窓口より券売機の方が、領収書のもらい忘れは、少ないかもしれませんね。
・新幹線のWeb予約サービスで購入する場合(エクスプレス予約やスマートEXなど)
各Webサイトから電子簡易インボイス(領収書データ)をダウンロードすることで、入手できます。
ちなみに、領収書データのダウンロードは電子取引に該当します。保存の際は、ご注意ください。
・Suica利用(乗車券・特急券)
簡易インボイス(領収書)の交付はないようです。
「公共交通機関特例」で、インボイス対応はできます。(後ほど解説)
ちなみに、Suica チャージはインボイス不要ですよ。
・モバイルSuicaで購入する場合(定期券)
モバイルSuica会員メニューサイトから電子簡易インボイス(領収書・利用明細書データ)をダウンロードすることで、入手できます。
こちらも、電子取引に該当しますね。
鉄道料金等のインボイスの入手方法(入場券・手回り品切符)
次に、入場券と手回り品切符について。
・窓口で購入する場合
窓口で、簡易インボイス(領収書)を入手できます。
手回り品切符は「乗車する駅の改札口」で購入できますね。
・自動券売機で購入する場合(入場券)
自動券売機で、簡易インボイス(領収書)を入手できます。
「領収書ボタン」を押せば、発行されます。
ちなみに、手回り品切符は自動券売機では購入できません。ご注意を。
・Suica利用(入場券)
窓口(改札・みどりの窓口)で、簡易インボイス(領収書)を入手できます。
いずれも簡易インボイスですので、すべて宛名の記載は不要です。
帳簿とともに保存しておけば、インボイス対応はOKです。
インボイス。そもそも不要な場合も。
ここまで、鉄道料金等のインボイスの入手方法について、解説してきました。
ですが、、、
そもそも、インボイスが不要となる場合があります。
次の場合です。
・3万円未満の鉄道料金
「公共交通機関特例」と言われます。
帳簿のみの保存で仕入税額控除ができる「インボイス制度の例外措置」の一つです。
特急料金や急行料金、寝台料金なども対象です。
ただし、入場券や手回り品切符は対象となりませんので、ご注意ください。
3万円未満かどうかは、1回の取引の税込価額で判定します。
「切符1枚ごと」「1人あたり」ではありません。
なお、Suicaによる乗車利用も、この特例の適用でインボイス対応ができます。
Suicaのチャージ上限額は2万円なので、3万円未満の鉄道料金に該当しますね。
・従業員等に支給する、通常必要と認められる出張旅費等・通勤手当
「出張旅費等特例」と言われます。
こちらも、帳簿のみの保存で仕入税額控除ができる「インボイス制度の例外措置」の一つです。
ただし、次の場合は「出張旅費等特例」の対象となりませんので、ご注意ください。
なお、「公共交通機関特例」も「出張旅費等特例」も、帳簿には一定の事項の記載が必要です。
3万円以上の鉄道料金で、出張旅費等特例の対象にもならない場合は、インボイスの保存も必要となりますね。
おわりに
今回は、鉄道料金等とインボイスについて、解説しました。
ぜひ、参考にしていただけるとうれしいです。
なお、帳簿のみの保存で仕入税額控除ができる「インボイス制度の例外措置」については、下記ブログで解説しています。
「公共交通機関特例」や「出張旅費等特例」の適用を受けるための、帳簿の記載事項についても解説していますので、参考にしてみてください。
また、帳簿のみの保存で仕入税額控除ができる「少額特例」については、下記ブログで解説しています。
入場券や手回り品切符については、「少額特例」の適用により、インボイス不要となる可能性もあります。参考にしてみてください。
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