雑所得にも「開業費」ってある?
「開業費の償却額」、訂正できる?
こんにちは。税理士の城戸です。
今回は、そんな疑問を持たれている方(個人事業主)向けの記事です。
ぜひ、参考にしていただけるとうれしいです。
雑所得に「開業費」というものはない。
所得税法施行令(第7条1項)によると、
『開業費とは、不動産所得、事業所得又は山林所得を生ずべき事業を開始するまでの間に、開業準備のために特別に支出する費用。』
と、されています。
ポイントとなるのが、「不動産所得、事業所得又は山林所得を生ずべき事業」というところ。
つまり、そもそも「開業費」という考え方があるのは、「不動産所得、事業所得又は山林所得を生ずべき事業」についてのみ、、、ということです。
雑所得に、「開業費」というものはありません。
会社員の方の副業などで雑所得に区分される場合は、ご注意ください。
雑所得については、「副業300万円問題」が話題になりましたね。
ちなみに、、、
不動産所得とは、土地や建物の貸し付けによる所得のこと。
地代や家賃、更新料、返還不要の敷金などがあります。
事業所得とは、そのままですが、事業から生じた所得のこと。
卸売業、小売業、サービス業、、、色々あります。
山林所得とは、取得してから5年超の山林の伐採や譲渡による所得のことです。
いずれにしても、これらの所得を生ずべき事業についてのみ、「開業費」という考え方があるということです。
経費にした「開業費」の金額は、後から訂正できない。
個人事業主の「開業費」は、いったん繰延資産として資産に計上し、その後自分のタイミングで経費にすることができます。
ただし、この経費にした金額(「開業費の償却額」といいます。)、、、
後から、訂正することはできません。
収入や経費の計上漏れや計算ミス等ではないので、「訂正する」ことができないのです。
自分で決めた金額なので、「間違い」ではないですよね。
「いつ」「いくら」開業費を経費(償却)するのか、、、
その年の状況等も踏まえ、しっかりと考えて決めるようにしましょう。
領収書等は必ず保管する。
最後に、、、。
開業費の領収書等は、必ず保管するようにしましょう。
その際、他の領収書等とは区分して、「開業費」は「開業費」で保管しておくとGoodです。
後から見直したときや税務調査などにおいても、役立ちます。
「開業費」に限らずですが、、、領収書等の保管は忘れずに。
消費税の計算では、特にです、、、。
おわりに。
今回は、『雑所得に「開業費」?経費にした「開業費」の金額、訂正可能?』について、解説しました。
ぜひ、参考にしていただけるとうれしいです。
このブログは、更新日時点における法令等に基づいて作成しています。