
個人事業主の開業費、
仕訳ってどうなる?
こんにちは、税理士の城戸です。
今回は、そんな疑問を持たれている方向けの記事です。
ぜひ、参考にしていただけるとうれしいです。
開業費を計上する際の仕訳
具体例と仕訳例
まずは、開業費を計上する際の仕訳について見ていきましょう。
以下、具体例と仕訳例です。(消費税の免税事業者を前提としています)
開業日 4月1日
開業前までに支払ったもの
・事務所家賃 20万円
・敷金 20万円
・礼金 30万円
・仕入 50万円
・パソコン 35万円
・セミナー代 10万円
・関係者への贈答品 1万円
・レンタルサーバー代 1万円
【注意】すべて開業のためのもの、そして開業日までのものです。
| 日付 | 借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 | 摘要欄 |
|---|---|---|---|---|---|
| 4/1 | 開業費 | 200,000円 | 元入金 | 700,000円 | 事務所家賃 |
| 敷金 | 200,000円 | 敷金 | |||
| 長期前払費用 | 300,000円 | 礼金 | |||
| 4/1 | 仕入 | 500,000円 | 元入金 | 500,000円 | 商品名 |
| 4/1 | 備品 | 350,000円 | 元入金 | 350,000円 | パソコン |
| 4/1 | 開業費 | 100,000円 | 元入金 | 100,000円 | セミナー代 |
| 4/1 | 開業費 | 10,000円 | 元入金 | 10,000円 | 関係者への贈答品 |
| 4/1 | 開業費 | 10,000円 | 元入金 | 10,000円 | レンタルサーバー代 |
解説
仕訳の日付は、開業日でOK。
貸方科目(相手科目)は「元入金」です。
「元入金」とは、ここでは、個人で事業を開始する際の開業資金といった感じですね。
個人事業主が使用する特有の勘定科目で、法人でいうところの「資本金」になります。
なお、「敷金・礼金・仕入・パソコン」は開業費に含まれませんので、ご注意を。
そして、摘要欄について。
仕訳例では、摘要欄に取引内容をざっくりと記載しています。
ですが、実際は「取引の相手方の氏名・名称及びその取引内容」を記載するようにしましょう。
今回は消費税の免税事業者を前提としていますが、もし課税事業者であれば、消費税の計算にも影響する可能性がありますので、摘要欄はしっかりと記載する習慣をつけましょう。
また、開業費の仕訳においては、「仕訳の日付」と「実際に支払った日」が異なります。
実際に支払った日も追加で記載しておくとgoodです。
開業費を計上する際の仕訳【まとめて仕訳バージョン】

でも、ひとつひとつ仕訳
って、開業費がたくさん
あるときは面倒、、、
そういう場合は、まとめて仕訳してもOKです。
もちろん、ひとつひとつ仕訳をしていくことが基本になるとは思いますが、、、面倒ですよね。
さきほどの具体例のまま、まとめて仕訳する場合は次のとおりです。
| 日付 | 借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 | 摘要欄 |
|---|---|---|---|---|---|
| 4/1 | 開業費 | 320,000円 | 元入金 | 320,000円 | 開業費別紙明細 |
| 4/1 | 敷金 | 200,000円 | 元入金 | 200,000円 | 敷金 |
| 4/1 | 長期前払費用 | 300,000円 | 元入金 | 300,000円 | 礼金 |
| 4/1 | 仕入 | 500,000円 | 元入金 | 500,000円 | 商品名 |
| 4/1 | 備品 | 350,000円 | 元入金 | 350,000円 | パソコン |
開業費が合計額になるだけですね。
それ以外は、さきほどの仕訳と同じです。
ただし、まとめて仕訳する場合には、エクセル等に開業費の明細(取引先・日付・取引内容・金額)を記載して保管しておくようにしましょう。

摘要欄に「開業費別紙明細」
などと記載しておくことも、
お忘れなく。
開業費を経費にする際の仕訳
次に、開業費(繰延資産)を経費にする際の仕訳について見ていきましょう。
さきほどの具体例をもとに、開業費「32万円」のうち「20万円」を経費にする場合の仕訳例です。
| 日付 | 借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 | 摘要欄 |
|---|---|---|---|---|---|
| 12/31 | 開業費償却 | 200,000円 | 開業費 | 200,000円 | 開業費の償却 |
仕訳の日付は、個人事業主の決算日(12/31)。
繰延資産として計上した開業費を、決算日に経費にする流れです。

開業費を経費にすること
を、「開業費を償却する」
といいます。
なお、開業費は、自分の好きなタイミングで経費にすることができます。
残り「12万円」は、翌年以降いつでも経費にすることができますね。
まとめ
今回は、『個人事業主の開業費、仕訳の方法は?』について解説しました。
ぜひ、参考にしていただけるとうれしいです。


このブログは、更新日時点における法令等に基づいて作成しています。




