こんにちは。税理士の城戸です。
今回は、電子取引データ保存への最低限必要な対応について。
令和5年度税制改正の「検索要件の緩和」や「猶予措置」を踏まえた対応です。
システム導入なしでも大丈夫です!
ぜひ、参考にしていただけるとうれしいです。
前回のブログは、こちら。
売上高が5,000万円以下の場合
基準期間の売上高が「5,000万円以下」の事業者の場合は、次の対応をしたうえで、電子取引データを保存します。
基準期間とは、法人は前々事業年度、個人事業主は前々年ですね。
事務処理規定については、国税庁がサンプルを公開しています。
それぞれの状況に合うように、カスタマイズして作成してください。
「ダウンロードの求めに応じる」とは、「調査担当者に、電子取引データのコピーを提供すること」です。
税務調査の際、調査担当者にきちんと提出できるように、電子取引データを保存しておけばOKです。
保存は、PDFでもスクリーンショットでも大丈夫ですよ。
売上高が5,000万円超の場合【索引簿等を作成するケース】
基準期間の売上高が「5,000万円超」の事業者の場合は、2つの対応が考えられます。
まずは、1つ目の対応です。
そのうえで、電子取引データの保存をします。
「日付・金額・取引先」で検索できるようにする方法としては、例えば、「索引簿を作成する方法」や「規則的なファイル名を付す方法」などがあります。
①索引簿を作成する方法
電子取引データのファイル名に連番などを付け、エクセル等で「連番・日付・金額・取引先」の情報を入力した一覧表を作成する方法です。
エクセルのフィルター機能を利用して検索し、その連番からファイルにたどり着けます。
索引簿についても、国税庁がサンプルを公開しています。参考にしてみて下さい!
②規則的なファイル名を付す方法
ファイル名に、「日付・金額・取引先」を入力する方法。
エクスプローラーやFinderで検索できます。
売上高が5,000万円超の場合【プリントアウトする場合】
次に、2つ目の対応です。
「書面の提示・提出の求めに応じることができるようにする」ためには、電子取引データをプリントアウトして、日付・取引先ごとに整理しておく必要があります。
プリントアウトする時期については決まっていませんが、
税務調査の際に、きちんと提示・提出できるよう、日頃からプリントアウトして整理しておきましょう。
電子取引データの保存も忘れずに!
電子取引データ保存、最低限必要な対応も出来ない場合、、、
人手不足で、、、どうしても対応できない場合は?
その場合は、「猶予措置」があります。
人手不足や資金不足等で、どうしても準備が間に合わない場合は、次の対応でも大丈夫です。
注意点は、電子取引データの保存も必要ということです。
令和5年12月31日までの「宥恕措置」との大きな違いですね。
プリントアウトして保存したからといって、電子取引データを削除しないよう気をつけてください。
とりあえずの「猶予措置」なので、少しずつ対応していきましょう!
おわりに
今回は、電子取引データ保存への最低限必要な対応について、解説しました。
電子取引データ保存は、システム導入なしでも大丈夫です。
まずは、対応できそうな方法から始めて、少しずつデジタル化を進めていきましょう!
いずれにしても、データは絶対に削除しないでくださいね。
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