
個人事業主のメリットについ
て知りたい。これから開業し
ようと思っているんだけど、
法人とどっちにしよう、、、?
こんにちは、税理士の城戸です。
今回は、そんな疑問を持たれている方向けの記事です。
個人事業主として開業する場合のメリットについて、解説します。
事業を始めるときは、「個人事業主?法人?」で悩みますよね。
ぜひ、参考にしていただけるとうれしいです。

それでは早速、見て
いきましょう。
【個人事業主のメリット①】開業手続きが簡単で、費用もかからない。
個人事業主のメリットの1つが、「開業手続きの手軽さ」です。
基本的には、開業届を税務署等へ提出すればスタートできます。(青色申告承認申請書なども提出していた方がいい場合もあります)
提出方法は、e-Tax・郵送・税務署の窓口のいずれでもOK。
特に費用もかかりません。
(特定業種の許認可費用や備品等の購入費用は別として)時間も費用もかからず、開業手続きができるということです。

法人の場合は定款作成や
登記なども必要ですし、
費用も少なくとも約6万円
以上はかかりますね。
ただし、2025年1月以降、収受日付印(受領印)の押なつが廃止されています。
開業届を郵送や税務署の窓口で提出する場合には、これまでのように“収受日付印付きの控え”を入手することはできませんので、ご注意ください。
詳しくは、国税庁/令和7年1月からの申告書等の控えへの収受日付印の押なつについてまで。
e-Taxの場合は、受信通知が控えの代わりになりますね。
その点、e-Taxでの提出の方が安心かもしれません。
なお、開業届の作成・提出については、freee開業やMoneyForwardクラウド開業届といったサービスもありますので、ご参考に。
【個人事業主のメリット②】開業後の手続きも楽なことが多い。
個人事業主の場合、開業後の手続きなども比較的楽なことが多いです。
事業の追加や変更も自由にできますし、もしも事業をやめることとなった場合でも、税務署等に廃業届を提出すればOKです。
もちろん、費用もかかりません。
法人の場合は定款の変更であったり、公告や解散・精算などの手続きが必要だったりします。
また、ひとりで事業をする場合には、給与計算や年末調整も必要ありません。
良くも悪くも個人事業主の場合には自分に給与を支払うことはできませんから、「所得税や社会保険料を源泉徴収して納付する」といったことも不要です。
国民健康保険料や国民年金の支払いは必要ですが、手続きは簡単です。

確定申告についても、法人
に比べると個人事業主の方
が楽ですね。
【個人事業主のメリット③】社会保険(健康保険・厚生年金保険)への加入義務がない。
個人事業主の場合、常時働く従業員数が5人未満であれば、社会保険への加入義務(従業員を社会保険に加入させる義務)がありません。
この場合、従業員は各自で国民健康保険や国民年金に加入しますので、事業主は「従業員の社会保険料の半分を負担する」必要がないということです。(社会保険料は労使折半です)

従業員の社会保険料
の半分って、、、どれ
くらい?
従業員の給料の約15%です。
その分、固定費を抑えることができますね。
法人の場合は社会保険は強制加入なので、その分固定費も増えることとなります。
なお、「従業員数が5人未満」の判定には、事業主や家族従業員は通常含まれません。
ただし、パートやアルバイトは含まれる場合もありますので、その点ご注意ください。
ちなみに、事業主本人は国民健康保険と国民年金に加入することとなります。
社会保険に加入することはできませんので、その点もご注意を。
【個人事業主のメリット④】利益が少ないうちは、税負担も軽い。
利益が少なければ少ないほど、税負担も軽い。
所得税は、利益が増えれば増えるほど税率も段階的に上がっていく「超過累進課税」です。
ということは逆に、個人事業主の場合は利益が少ないうちは税負担も軽い(税率も低い)ということです。
下記は、所得税の速算表です。
利益(所得)が少なければ少ないほど、税率も低くなっていますね。
| 課税される所得金額(千円未満切捨て) | 税率 | 控除額 |
| 195万円以下 | 5% | 0円 |
| 195万円を超え 330万円以下 | 10% | 97,500円 |
| 330万円を超え 695万円以下 | 20% | 427,500円 |
| 695万円を超え 900万円以下 | 23% | 636,000円 |
| 900万円を超え 1,800万円以下 | 33% | 1,536,000円 |
| 1,800万円を超え 4,000万円以下 | 40% | 2,796,000円 |
| 4,000万円超 | 45% | 4,796,000円 |
なお、個人事業主の税金には、その他復興特別所得税や住民税、事業税もあります。
復興特別所得税は、「所得税額」×2.1%。
住民税は、「所得」×10%+約5,000円。
事業税は、「所得」×3%〜5%です。(事業税とは事業所得等が290万円を超える場合にかかる税金で、ほとんどの事業が対象となります)

それで、法人の場合は?
法人にしたら、税金って、
どれくらいかかる?
法人住民税等も含めて、約25%〜35%ですね。
資本金額や利益(所得)などによっても、税率は変わります。
法人の場合は「約25%〜」ですので、利益が少ないうちは個人事業主の方が税負担も軽いということです。
赤字の場合、税金がかからない。
個人事業主の場合、赤字であれば税金(所得税等や住民税、事業税)はかかりません。
法人の場合は、赤字であったとしても法人住民税の均等割が最低でも7万円ほどかかってきますので、その点メリットと言えます。

法人住民税の均等割?
法人だと、赤字でも
税金支払うの!?
法人住民税の均等割とは、利益に関係なく課される税金で、資本金等の額や従業員数によって決まっています。
「利益に関係なく」なので、赤字でも納める必要があるということです。(容赦ないですね)
なお、個人事業主にも同じく住民税の均等割があるのですが、赤字の場合(合計所得金額が一定額以下の場合)には非課税となります。
ただし、個人事業主の場合も消費税などは赤字に関係なく納める必要がありますので、納税資金にはくれぐれもご注意を。
【番外編】税務調査に入られる可能性が低い?
ちなみにですが、、、
一般的には、法人よりも個人事業主の方が「税務調査に入られる可能性が低い」と言われています。
税務調査は、日頃からきちんと経理・申告をしていれば特に怖いものではありません。
ただ、それでも何かどきどきしますし、時間も取られますよね。
そういう意味では、この点も1つのメリットと言えるかもしれません。
ただし、あくまでも「一般的には可能性が低い」というだけです。
その事業規模や業種、黒字?赤字?などでも変わってきます。(申告内容が怪しい場合もです、、、)
さらには、AI時代。
すでに税務調査の選定などでもAIが活用されていますし、今後どうなるのかは分かりません。

2026年9月からは、“KSK2”
も導入される予定です。
私達にとっては、さらに厳し
くなりそうですね。
いずれにしても、「個人事業主であれば税務調査には入られない!」というわけではありませんので、ご注意を。
まとめ
今回は、『個人事業主として開業するメリットとは?個人事業主?法人?』について解説しました。
事業を始めるときは、「個人事業主?法人?」で悩みますよね。
ぜひ、参考にしていただけるとうれしいです。


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