こんにちは。税理士の城戸です。
今回は、帳簿のみ保存でOKな例外措置について。
インボイス制度の例外措置です。
ぜひ、参考にしていただけるとうれしいです。
消費税の課税事業者及び原則課税が前提です。
立場としては、買い手側です。
前回のブログは、こちら。
インボイス制度の、帳簿のみ保存でOKな例外措置
インボイス等の交付を受けることが困難な一定の取引は、帳簿のみの保存で仕入税額控除の適用を受けることができます。
帳簿のみ保存でOKな、インボイス制度の例外措置です。
具体的には、次の取引です。
⑴(売り手側において)インボイスの交付義務が免除される次の取引
①3万円未満の公共交通機関(船舶、バス又は鉄道)による旅客の運送【公共交通機関特例】
・特急料金⭕️ 急行料金⭕️ 寝台料金 ⭕️
・入場料金❌ 手回品料金❌
旅客の運送に直接的に附帯する対価はOKということですね。
・飛行機❌ タクシー❌
間違いやすいので注意です。
・3万円未満の判定は、1回の取引の税込価額で。
切符1枚ごと、1人あたりは❌です。
②3万円未満の自動販売機及び自動サービス機からの商品の購入等【自動販売機特例】
・自販機での飲み物の購入⭕️
・コインロッカー⭕️
・コインランドリー⭕️
・ATMの振込手数料⭕️
・小売店内のセルフレジ❌
・コインパーキング❌
・自動券売機❌
・ネットバンキング❌
その自動販売機等のみで、代金の支払いと飲食料品の購入やサービス等が完了するものであればOK、というイメージです。
③郵便切手類のみを対価とする郵便・貨物サービス(郵便ポストに差し出されたもののみ)
・切手を貼って郵便ポストに投函したもの⭕️
・窓口に持ち込んで郵送した場合❌
⑵簡易インボイスの記載事項(取引年月日を除く。)を満たす入場券等が、使用の際回収される取引【回収特例】
「その入場券等が簡易インボイスの記載事項(取引年月日を除く。)を満たすもの」である必要がありますので、ご注意ください。
⑶ 古物営業、質屋又は宅地建物取引業を営む事業者が、インボイス発行事業者でない者から、古物、質物又は建物をその事業者の棚卸資産として取得する取引
例えば、
中古車販売業者が行う消費者からの中古車の仕入れ、など。
他、質屋や不動産業者なども想定されますね。
以下、注意点です。
⑷インボイス発行事業者でない者から、再生資源又は再生部品を棚卸資産として購入する取引
例えば、
再生資源卸売業などが行う消費者からの空き瓶の回収(購入)、など。
以下、注意点です。
⑸従業員等に支給する通常必要と認められる出張旅費、宿泊費、日当及び通勤手当に係る課税仕入れ【出張旅費等特例】
通常必要と認められる部分とは、次のとおり。
帳簿の記載事項
例外措置の適用を受けるための帳簿の記載事項は、次のとおりです。
①課税仕入れの相手方の氏名又は名称
②課税仕入れの相手方の住所又は所在地
「〇〇市 自販機」や「〇〇銀行〇〇支店ATM」など。
③取引年月日
④取引内容(軽減税率の対象品目である旨)
⑤対価の額
⑥例外措置の対象となる、いずれかの取引である旨
「3万円未満の鉄道料金」や「入場券等」など。
青字部分が追加で必要となる部分ですね。
なお、②の「課税仕入れの相手方の住所又は所在地」の記載は、次の取引については不要です。
①公共交通機関特例が適用される取引
②自動販売機特例が適用される取引【令和6年度税制改正より】
③切手を貼って郵便ポストに投函したもの
④回収特例が適用される取引(3万円未満の取引に限る。)【令和6年度税制改正より】
⑤出張旅費等特例が適用される取引
⑥上記⑶及び⑷の取引
(一定のものを除く。※下記MEMO参照)
こちらは、住所等の記載も必要です!
おわりに
今回は、インボイス制度の、帳簿のみ保存でOKな例外措置について解説しました。
なかなか細かい内容ですね、、、
もうすぐ始まるインボイス制度。
一緒に頑張りましょう!
参考:インボイス制度について
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